News

宮大工の歴史と木造建築

 日本の木造建築は二度中国の影響を受けている。

 最初に影響を受けたのは飛鳥時代(法隆寺などが建立された時代)から奈良時代初期(唐招提寺などが建立された時代)にかけてである。その時代には、仏教とともに、木造仏教建築の技術が中国からもたらされた。奈良は日本の伝統的な木造建築のふるさと、ホームタウンと言っても過言ではない。奈良時代の建築物は、奈良県以外の場所にはほとんどない。この時代を象徴する平城京への遷都は、想像をはるかに超える文化中心都市を作ろうとした意思があったものと思われる。

 次に影響を受けたのが、鎌倉時代の初期だ。中国から禅宗が入ってきて、禅僧が多数渡来し、唐様(禅宗様)建築というものが輸入された時代だ。それは天竺様に受け継がれ、その後、折衷様から和様へと変遷の歴史をたどっていく。

 建築ツーリズムが世界的に流行しているが、西洋の建築物と日本の建築物を年代で比較してみると非常に面白い。宮大工の歴史も日本における木造建築技術の発展と変遷とともに脈々と受け継がれてきているものなのだ。

関連記事

PAGE TOP