万葉の世では、敷島の道は和歌の道、とされた。華道、茶道のように本格宗派を持ちながら一般に広く普及している道もある。一方で神に仕え続けてきた宮大工の世界に道の呼び名は今のところ存在しない。
研ぎ澄ます、板につく、など宮大工の日常の仕事から生まれ一般的に使われている言葉が数多いにもかかわらず。
世界最古の組織に属した人たちがすべて宮大工であるにもかかわらず。
ならば、その価値を、その使命感を、そして日本のプライドを、みてもらおうじゃないか。
SDGs? カーボンニュートラル? なんて1400年前に普通に取り組んでいた、その価値を。
旅大工とも言われたその価値を、本当の旅と結び付けてもっと付加価値の高いものにしてやろうじゃないか。
「宮大工の宮大工による寺社のための仕事」から「宮大工の宮大工によるトラベラーのための文化観光へ」
その旗印は世界に類を見ないスペシャルインタレストトラベラーを生み出すはずだ。
トラベラーには自分自身の道を再確認するヒントをつかんでほしい。
宮大工の技術が活かされている温泉旅館や寺社建築の見え方にも変化がでてくるはずだ。
Known by many, but owned by few. その形に挑戦するときがきたようだ。
宮大工には匿名継承されてきた型がある。Make-upされた型無しよりnon-makeupのintrinsicな滅私奉公の型の方がクールでかっこいい。
世界最古のビジネスである宮大工。次に古い温泉旅館。この二つのコンビネーションにこそThe Most Sustainableの称号はふさわしく映る。
自問自答をしてほしい。これが高付加価値なものでなければ高付加価値とは一体全体何なのか?
そこにあるのは、すべてのビジネスオーナーが直感的に強く意識している「Longevity of business」そのものだ。
ラグジュアリーの語源であるあかりの単位・ルクスのように、この宮大工ツーリズムを明るく照らすルクスを。
ブランドの語源である牛の刻印のように、トラベラーの心に刻まれるブランドに。
ミステリアスな国ニッポンに、ミステリー満載の宮大工。
そしてその技術が活かされる温泉旅館建築。
そのベールを脱ぐ時がやってきた。
1000年以上前の先達に敬意を表して
そして1000年後の後輩達にも継承していくために。
Miyadaiku knows. 宮大工は、知っている。
おてんとさんが、みていることを。
ニッポンのDNAがここにあることを。
そしていつの日か、off the beaten pathがon the beaten pathになることを。
宮大工ツーリズム。
その扉を開けるのは、あなたです。