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ティッシュよりも薄い鉋屑

 宮大工のもつカンナの数は多い場合で70種類におよぶ。カンナで木材を削るのは一般の人にも非常にイメージしやすい大工仕事の真骨頂だ。

 そんなカンナ削りでも、宮大工の仕事となるとまた一味違ってくる。カンナ屑が薄い=仕上げが良くなり滑るようにピカピカ光って見える。逆に、カンナ屑が帯のように尾を引いて流れ出す光景については、大工としての腕は半人前とみなされることも多いようだ。

 本当に薄いカンナ屑はカンナからそとにでてこない。カンナの中でくるくると丸くなる。それを伸ばしてみると何メートルもの長さになり、向こう側が透けて見えるほど薄いカンナ屑となる。このカンナ屑を出すことができる大工が腕の良い大工、とされるようだ。

 もちろん扱う木材やその状況、または環境などによって全く違うだろうが、大工をみる視点のひとつとして押さえておきたいポイントのひとつだ。

 ティッシュよりも薄いカンナ屑は芸術作品にすらみえることがあるくらいだ。

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