宮大工の道具

宮大工の道具(さしがね)

宮大工を宮大工たらしめるもの、それは「さしがね」の使い方にあると言っても過言ではありません。寺社の軒先のそり(曲線)を正確に測る物差しのことで、屋根の梁や曲線などを測ることにも使われるものです。

昔は鉄製で、今はステンレス。長い物差しを三分の一ほどのところで、直角に曲げたような格好をしており長いほうは一尺六寸、短い方は七寸五分。

部材に穴を掘るときは、部材の端から寸法を測るのではなく、中心に打たれた真墨から寸法を測る。建物は垂直と水平が命、と言われるゆえんでもある。

財、病、難(離)、義、官、劫、害、吉の記載があり、財がたまる、病気になる、義は忠臣が出たり孝臣が出たりする、など歴史と密接関わっている。刀や仏はこの寸法で作られていることを知っていると、腹を切る刀は害の寸法、玄関と柱の長さは吉の倍数、官庁の建物は官の倍数、と決まっていることにも納得がいく。通常、病、離、害は避けることが望ましい、とされる。

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