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法隆寺

 奈良県生駒郡斑鳩町にある聖徳太子ゆかりの寺院で、いうまでもなく世界最古の木造建築物で世界遺産となっている。その荘厳さもさることながら、以下の3点に思いをはせて法隆寺を観てみると、よりそのすばらしさを体感できるはずだ。

  1. 最高レベルの耐久性と保存性を誇るひのきを使用
     伐採してから200年間は強度が増すという、他の建設材料では考えられないような不思議な特質があるひのきを使用している。その中でも、法隆寺では、樹齢1000年以上もある、年輪の目の詰まった良質のひのきが使われている。
     法隆寺の西側には宮大工が代々住み、修繕や点検を行ってきたが、法隆寺に使用されている古びた柱を解体してカンナをかけると、その木材は、生のひのきの香りが漂うほどの状態であったといわれている。
  2. 修繕しやすい建築構造
     日本は高温多湿なため、木造建造物は常に、腐朽・蟻害、雨風などによる劣化の危険にさらされているが、法隆寺の補修で取替が必要になったのは末端部分がほとんどで、骨格部分と内部には当初の木材を残すことができている。つまり、日本の木造建造物は、最初に建てる時に、後の解体修理を想定してつくられていたと考えられる。
  3. 自然の摂理に抗わない柔らかな伝統構法
     五重の各層は上に行くほど細くなっており、中央に心柱と呼ばれる柱があるほかは各階は独立し、心柱の周囲は吹き抜けになっており、各階の荷重を支えていない。心柱を中心に組まれた建物は、風や地震などの外力がかかると、振動の波に乗るように建物が揺れ動き、力を分散させ倒壊しない作りになっている。現在の高層ビルの建築理論に近い考え方をとっていることには驚きを隠しえない。

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